西洋薬は単一の有効成分で出来ているため、「痛みを抑える」「血圧を下げる」など一つの症状に対して効果を発揮します。一方、漢方薬は複数の自然の生薬を配合した薬なので、それぞれの生薬が持つ作用が合わさって様々な効果をもたらします。患者さん一人ひとりの体質や状態に合わせて漢方薬が選択され、本人の自然治癒力を高めて、原因がはっきりしない身体の症状を改善する場合もあります。主に、風邪(咳、扁桃炎、発熱、インフルエンザ、倦怠感など)、冷え、腰痛、頭痛、皮膚疾患、食欲不振、泌尿器疾患、更年期障害など様々な症状に対応します。
かぜ
かぜに使われる西洋薬はのど痛みや鼻水、鼻づまりなどを改善する対象療法によって かぜの症状を緩和します。これに対して漢方薬は体全体のバランスを整え、本来、体が 備えている「自己治癒力」を高めることでかぜを改善へ導きます。
冷え
夏なのに手足が冷たい、暖房の効いた部屋にいるのになかなか体が温まらないなどの、普通の人が寒さを感じない程度の温度にも関わらず、全身または手足、下半身など体の一部に異常な冷えを感じやすく、つらい場合とされています。冷えによる血流の低下から、顔や手足のむくみ、目の下のくま、肌荒れが起こることもあります。漢方薬は血流を改善したりして冷えを改善していきます。
便秘
便秘は3日以上排便がない場合、または毎日排便があっても残便感のある状態とされています。漢方薬では、便秘の治療では自然な排便を目的とします。そのために、便の性状から
ストレス
職場、家庭、地域、学校などさまざまな場所で受けたストレスにより、心や身体の健康を損ない、「こころの病」を発症する人が増えています。漢方薬は、心身のバランスが崩れた状態を整えることで、症状を改善しストレスにも対応していきます。
不眠症など複数の症状を併発している場合には、単剤で複数の症状に対応できる場合もございます。つらい症状を軽減させることで、患者さんの活力を高めて、QOL(生活の質)の改善につなげます。
疲労倦怠
一日中だるい、すぐに疲れる、何となく調子が悪いなどの疲労倦怠感に漢方薬が選択されます。疲労は生命エネルギーの流れに障害が現れ始めたと考えます。一般的には、元気の源である「気」を補う漢方薬が選択されますが、貧血や胃腸機能の低下など原因が他にある場合には、気を補いながら原因を改善していく漢方薬で疲労倦怠を改善していきます。
更年期障害
更年期とは閉経前後の時期で、一般的に40代後半から50代半ばまでを言います。卵巣機能の低下によって女性ホルモンの分泌が減少することにより、ほてり、発汗、動悸、頭痛、便秘などの体の症状、イライラ、うつ、不眠などの心の症状などが現れます。漢方薬では、女性のホルモンバランスを整えるように治療します。
認知症
漢方薬は認知症の中核症状の改善を目的としたものではなく、認知症にともなう行動・心理症状(BPSD)の改善が期待できます。例えば、興奮や抑うつ、睡眠障害、介護抵抗など様々な症状に漢方薬が選択することができます。
乾いていれば腸管を潤し、腸管運動に異常があればスムーズな蠕動運動を促し、冷えがあれば温めて、大腸の環境を正常に整えてきます。また、薬剤耐性が生じにくいというメリットもあります。